ことしのカレンダーも力作です。1月の「備前焼」(写真)は初め、風景写真と違うため、「エッ、これも」と思いましたが、陶土に田んぼの地下の粘土が使われているとのこと。制作者の富山和子さんは、「日本の米は人々の糧だけでなく、茶の湯文化も支えてきた」と記しています。
米カレンダーを通して私は、日本各地の米づくりの奥深さ、とくにそれぞれの地で歴史的に醸成されている米文化の個性的な豊かさを再発見し、また新たに知ることができました。地方の風景・景観の鮮やかな美しさにも感嘆の声をあげてきました。
ことしの作品で制作は最後とのこと。残念でなりません。創刊以来30年、積み重ねられてきた貴重な写真と添えられた文をより広く知らせるために、出版物等の発行を願うばかりです。