
まず、前庭に展示されたロダンの「考える人」などを見ながら本館(1959年完成)の正面入口へ。太い柱で支えられたゆとりのある空間があり、来館者は強い日ざしや雨を避けることができます。設計者ル・コルビュジエのこだわりの一つです。
入館料は430円、高校生以下と65歳以上は無料。来館者に優しい料金設定で、小中学生や若い人も次々訪れていました。
館内で驚いたのは、写真撮影がフラッシュを使用しなければOKであったことです(写真)。なんとおおらかなのでしょう。休憩用のソファも館内の所々にあります。その上には館の説明書が置かれ、特徴等を理解するうえで役に立ちます。
展示室は見通しのよい、ひと続きの部屋が広がっていました。角を曲がると同じような景色がまた現れる不思議な空間でもあります。そして何よりもうれしかったのは、よく知られている作品がいくつも展示されていることです。
モネの「睡蓮」「舟遊び」、ルノワールの「帽子の女」、ゴーギャンの「海辺に立つブルターニュの少女たち」、ピカソの「男と女」等々。
絵筆の大胆かつ繊細なタッチや豊かな色彩、絶妙な構図を通して、絵にかける画家の渾身の思いが長い年月を超えて直接伝わってくるようでした。
開放的で、感動を覚え、親しみも湧く。西洋美術館はいくつも魅力がありました。