Jリーグには豊富な資金力を生かして、優秀な選手を擁するチームがあります。対して鹿島は資金力の限られたチームです。その鹿島がJリーグで最多の優勝を誇るまで強くなった。特筆すべき理由の一つは、チームの団結力や結束力が生かされていることです。
意見を言い、親しく支え合う
鹿島は長年、「アントラーズファミリー」といわれる通り、選手やスタッフが家族のように親しく支え合うことを重んじ、結束力を高めています。
この結束力とは、お互いのプレーに意見があっても遠慮してモノを言わないということではありません。今シーズンの鹿島も試合中、選手同士が意見を言い合うという場面がありました。それがあっても、またそうであってこそ発奮し、結束力が増す。確かに同試合は逆転勝ちしました。
また、欧州のクラブに所属する2人のOB選手は現在帰国中ですが、鹿島の練習に参加し、昨夜は試合会場で応援しました。
試合采配にも人間性を加味
昨夜の試合には今週退団の決まった選手も出場しました。15年という長年の労苦に報いる、温情ある計らいをチームの指導部が行ったのです。サポーター(昨夜は3万人余)も同選手の出場を求めて大声でコールしました。
勝敗を競うプロのチームで、去っていったかつての仲間も大事にされる。優勝のかかる試合の采配にも人間性が加味される。寛容や包容力が大切にされ、それが勝利に結びつく。すがすがしい“法則性”が感じられるのではないでしょうか。